知ること、考えること
※この記事は、ヒトによっては精神的に直視しがたい内容となっています。
・二次創作を嗜んでいて、本当に面白いものを作りたいという願望があり、痛い所を的確に突かれたい方
・私の考え方に触れてみたいという特異な方
どちらかに当てはまる方のみの閲覧を推奨します。いつもより毒気多めです。
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どうも、代表のNNです。
ここのところ、ムラサキとけもフレ二次創作小説議論を繰り広げているのですが…色々まとまってきたので、記事にしてみようかと。
かなりバッサリと斬っていきます。覚悟して下さい。
一つめの議題…「オリフレ、オリジナル人間キャラは必要なのか?」
結論から言うと、九割は必要ありません。
考えてもみてください。
けものフレンズというコンテンツが用意してくれた「公式デザインのアニマルガール」が、どれぐらい居ると思いますか?
一つ、良いサイトを紹介しましょう。
https://kemono-friends.gamerch.com/%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%A9%E4%B8%80%E8%A6%A7
旧アプリ版に実装されていたアニマルガール一覧です。
ケロロ軍曹や攻殻機動隊のコラボキャラを抜いても、余りある程の子達が既に存在している訳です。
何故この子達を使わないのか?
性格設定をオリジナルにすれば良いだけだ、とは考えませんか?
二次創作であるにも関わらず、安易にオリフレを主役に立てるという行為は、とても大きなリスクが伴う事なのです。
仮にあなたがそうしている場合ですが、「オリフレ主人公にして、自分の承認欲求を満たしたいだけだろ」って突っ込まれたら、あなたは即座に否定できるだけの考えを、明確に持っていますか?
…残念ながら、各方面で公開されている、そういった作品の大半からは、「オリフレでなくてはならない理由」が希薄に感じられます。
そしてそれは、オリジナルの人間キャラを主役に据えている場合も同様です。
では、何故私はそう感じるのか。
次の議題に移りましょう。
二つめの議題…「表現技法、怠け、オリジナリティ」
「オマージュ」や「リスペクト」という言葉がありますね。
これはどちらも「尊敬」を意味する言葉ですが、創作においては表現技法の一つの名称として馴染みがあるでしょう。
作者が感銘を受けた作品の雰囲気や、場面の一部を、自分の作品に取り入れる、というものですね。
これ自体は大いにアリな技法だと思います。
実際、私達が作るミッシングけもリンクは、いろんな作品へのリスペクトが詰め込まれています。
ですが、そういうものは本来「言われなきゃ気付かねーよ」程度なんです。
ミッシングけもリンクで例を挙げるなら…第二部なんかは顕著な方です。
アルケインスタジオ開発、ベセスダソフトワークス販売の「PREY」というゲームがあります。
地球外生命体の研究をしていた宇宙ステーションで事故が発生し、事態の収拾と脱出方法を模索していくという内容なのですが…この作品のお話はそれに留まりません。
色々省いて話すと、彼らの研究は「地球外生命体の力をどうやって人類に取り込むか」だったのですが、ある事を境に「どうやって人類の考えを地球外生命体に理解してもらうか」にシフトします。
それによって、最終的に人類が考えた策は「ある人間の記憶を送り込んで、その出来事をシミュレーションとして追体験させ、人類が持つような共感性を育てる」というものでした。
第二部の終盤、キタキツネが自分とセルリウムを繋ぎ合わせ、彼らの記憶や思考を直接覗く、という展開は、PREYをかなりリスペクトしています。
「地下都市」というジャパリパーク以上に閉鎖的な空間を舞台に、研究チームとしての印象を前面に押し出した「組織」の暗躍を描いた内容自体が、言ってしまえばPREYへのリスペクトでもあります。
…ですが、こんなのは言われなければ分かりませんよね?
そういうものなのです。
言われなくても分かっちゃうようなものは、オマージュやリスペクトではなく、陳腐なパロディでしかないのです。
では、本題に入りましょうか。
あなたは、けもフレの二次創作小説を作っています。
あなたは、その小説の主役にオリフレや、オリジナルの人間キャラを据えました。
その上で、あなたは冒頭の展開を、アニメ版第一話「さばんなちほー」を踏襲した作りにしました。
これは果たして、オマージュなのでしょうか?
あなたが作りたいものは、アニメ版けものフレンズの「焼き増し」ですか?
あなたがやりたい事は、アニメ版けものフレンズを題材にした「大喜利」なんですか?
そんな作品であるならば、私は大人しくアニメ版けものフレンズをもう一度観る事に、時間を使うでしょう。
もしそうではないのなら、よく知って、よく考えてみて下さい。
あなたは、「けものフレンズ」という作品と、どこまで向き合えているのか。
あなたは、「けものフレンズ」という作品の、良い部分と悪い部分が見えているのか。
あなたは、「けものフレンズ」という作品を、どう捉え、どう考えているのか。
その上で、あなたはどんな「二次創作」をしたいのかを。
「オマージュ」とは、「尊敬」なのです。
あなたがお話の作り込みを「怠ける」為の技法ではないのです。
あなたがそれをどう受け止め、どう感じたか。
「尊敬を表す」ということは、「問いに答える」ことでもあるのかも知れません。
問いに対して、全く同じ問いを返すなんて、変でしょう?
恐れる事はないのです。
あなたの感じた「答え」を示すこと、正しく「尊敬」を表せた時にこそ、きっとあなただけのオリジナリティが見付かる筈です。
では、最後の議題で総括していきましょう。
三つめの議題…「オリフレやオリジナル人間キャラが持つ一割の可能性」
一つめの議題の冒頭、私は「けもフレ二次創作小説において、オリフレやオリジナル人間キャラは九割必要ない」と話しましたね。
では、残りの一割の可能性とは何なのか。
簡単に言えば、「ものは使いよう」なのです。
あなたがけもフレ二次創作小説を作ろうとした時、「まだ公式かデザインしていないけれど、この子をアニマルガール化させて主役にしたい」と思う動物が居たとします。
じゃあ、何故わざわざその動物を主役にしたいのか?
物語上、けものフレンズの二次創作のお話として、その動物である必要性は?
それらに答えられる「説得力」のあるお話作りをすれば良いだけなのです。
例えば、その動物が元々持つ生態、特徴なんかがとても魅力的で、それをフルに使わなければ描けないようなお話なら、誰もが「説得力」を感じられるでしょう。
オリジナルの人間キャラにしてもそうです。
例えば、漫画版のような「まだ人間による管理がされていた時代のジャパリパーク」を舞台に、菜々ちゃんやミライさんやカコさんでは描けない、また違うタイプの人間とアニマルガールとの交流を描けばいいのです。
そしてこれらは、色んなことに言い換えることができます。
あなたの描こうとしているお話は、ちゃんと「説得力」がありますか?
そのお話は、原作の「焼き増し」になってませんか?
はっきり言わせて貰うと、私には「説得力」の感じられない「焼き増し」作品が多いと考えています。
評判の良い作品の中にも多いです。
作る側も、読む側もよく考えてみるべきです。
あなたにとって「けものフレンズ」って何なのか。
あなたは「けものフレンズの二次創作小説」に何を求めるのか。
目の前の作品は、正しく「二次創作」になっているのか。
その質がどんなものであろうと、生み出された作品は、常に作者と読者の両方を試しています。
自分が作った作品や、自分が気に入った作品と、改めて真剣に向き合ってみてはどうでしょうか?
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