Respectそのいち(ミッシングけもリンクのネタバレあり)
表か?裏か?
コイントスで123回表を出した、本文担当のNNです。
ちょっとTwitter見てたら、なんかこう愛の示し方を悪い意味で間違えてる感のある物を見てしまって、それはちょっと違うんじゃないの?って気分です。
ので、今回はミッシングけもリンクのお話において私がリスペクトした他作品と、小説内の場面をちょいちょい語ろうかなと。
まず第一部「あたらしい/のこされた きみへ」。
超大型セルリアンの残骸に巻き込まれ、海の底へ沈んでいった後のカラカルが、アプリ版サーバルとの再会を果たす謎空間回は、「Bioshock Infinite」というゲームの最後の場面を大いにリスペクトして書いた場面です。
「ガイドブックそのいち」でも書いていますが、無数の光は一つ一つがそれぞれ違う『未来』を示唆するものです。
リスペクト元の作品においては、過程が変わっても結末は収束するという話でしたが、ミッシングけもリンクでは第三部で皆が迎える結末が「何か一つでも違っていたら、こうはならなかった」と思って欲しい所があって。
サーバルが「無数の光が、いつか一つの星空になる」旨の話をカラカルにするのも、そういう意図だったりします。
園長がああいう数奇な運命を辿った事も。
カラカルが諦めずに生き続けた事も。
アプリ版サーバルがああいう形で在り続けた事も。
漫画版のキタキツネ達「組織」がパークの外で問題解決に取り組み続けた事も。
何もかもが、決して無駄じゃなく。
沢山の絆と想いが、繋がって、重なって、素晴らしい未来を生み出せた。
ミッシングけもリンクは、そんなお話になりました。
…ちなみに、バッドエンドも二つ程考えてたのですが。
・セルリウム(黒サーバル)をサンドスタードライ完全排除する→サンドスターそのものが地球から消滅→アニマルガール全員消滅→菜々ちゃんもずっと起きない→園長が唯一人取り残されるEND
・平和で楽しい日々を送っている→しかし世界に白と黒以外の色がない→自分達がセルリウムの中で生きている意識の一つだと気付く→地球丸ごとセルリウムに飲み込まれるEND
…そうならなくてよかった。
次に第1.5部「ろっじにて」。
ここは「ガイドブックそのに」でも明記してますが、タイリクオオカミの電話でのやり取りの場面は「Metal Gear Solid」シリーズのスタッフロール後にある、お馴染みのアレを意識してます。
あの演出、凄く好きです。
本編を終えた余韻に浸りながらスタッフロールを見終えた後に、声だけで次回に繋がる意味深なやり取りが繰り広げられるの、本当に格好いい。
次の第二部が、ミッシングけもリンクにおいてかなり重要な鍵を幾つも握っている漫画版の面々の回でもある為、とにかく「これは何かあるぞ」と思ってもらえるような空気を出したかった。
「ろっじにて」は、第二部の予告回であり、漫画版のタイリクオオカミ=アニメ版のタイリクオオカミという設定に説得力を持たせる為だけの回でもあります。
ので、かなりコンパクトな回でもありますが、込めたものが少ない文字数の中にきっちり詰め込まれた「洗練された回」でもあるようにも思えます。
…今回はここまで。
第二部以降は、また日を改めて書いていきます。